エコノミークラス症候群

広島市の調剤薬局 株式会社ファインプラス
まえだ薬局西原店 薬剤師バヤシ

能登半島地震により、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に、謹んでお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

今回はメディアでもよく取り上げられているエコノミークラス症候群について取り上げようと思います。

エコノミークラス症候群というのはよく聞く言葉ですが、正式には静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)と呼ばれる疾患です。

どういう病気か簡単に説明すると、まず足に血栓ができ(深部静脈血栓症)、その血栓が肺動脈に詰まること(肺血栓塞栓症)で突然死にもつながるものです。

予防するためには、運動、水分補給、弾性ストッキングなどが大事といわれていますが、今回は血栓ができる原因についてもうすこし紹介します。

動脈硬化:脂質異常症や高血圧によって血管の柔軟性が失われると血栓ができやすくなります。

ストレス:ストレスのかかる状況における体の変化の一つとして血が固まりやすくなるというものがあります。これは、けがをしたときに止血が素早くできるようにと備わっている仕組みですが、血栓ができやすくなってしまいます。

喫煙:喫煙によって動脈の収縮や炎症が起こるため、血栓ができやすくなります。

妊娠:妊娠やピルの服用によって血栓ができやすくなります。

避難生活に付きまとう脱水症状、ストレス、運動不足がすべて血栓をできやすくしてしまうのでこれだけ注意喚起がされている理由がわかりますね。

今回被災された方々が一日でも早く、日常を取り戻せることを心から願っています。