クリスマスを楽しみにしている薬剤師 楠木プラス薬局 まるりん
先日、社内勉強会にて新発売の抗アレルギー剤「ビラノア錠20mg」の勉強会がありました。
ビラノア錠は世界で2番目に売れている抗アレルギー剤であり、1日1回空腹時服用にて速やかに効果発現し、鼻症状に関してはフェキソフェナジン塩酸塩とほぼ同等の効果が得られる薬剤だそうです。服用例としては、起床時又は寝る前服用で食前1時間食後2時間の間隔を空ける必要があります。
ビラノア錠は、非鎮静性であり、眠気の副作用について添付文書上に記載がなく、自動車運転をされる方も安心して服用できる製剤です。
効果や眠気の副作用に関しては、フェキソフェナジンと同等と考えられますが、フェキソフェナジンは授乳婦、妊婦に対し使用可能な薬剤に対し、後日メーカに確認したところ、ビラノアはアメリカ、オーストラリアでは認可されていないため、米国FAD分類基準やオーストラリア分類基準(ADEC分類基準)への記載がなく、妊婦に対してはデータがなく使用はお勧めできないとのことでした。
また、授乳婦に関しても同様であり、添付文書上にも「授乳を避けさせること」の記載もあることから妊娠、授乳をされている方への投与は控えてくださいと言われていました。
小児への投与に関してもフェキソフェナジンは小児への投与は可能でありますが、ビラノア錠は成人(15歳以上)の服用しか認められていません。
さらにビラノア錠は剤形も錠剤のみであり、嚥下困難な患者さんに吸湿性があるため粉砕することはできません。
以上のことから考えると、嚥下障害などない方で、空腹時服用が苦にならない方で、妊娠、授乳をされてない方に向いている薬剤ではないでしょうか。